ソメイヨシノより八重桜の生き方が羨ましい

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(ウェザーニュース社のサイトから借用)

ウェザーニュース社から桜の開花予想の発表あった。

大阪は3/27、名古屋と東京は3/25と予想されている。北海道は4月下旬になるようだが日程はまだ発表されていない。

 

  桜の開花予想が発表された。

ウェザーマップ『さくら開花予想2013』

他の会社がどうなっているか知らないが、私の勤務先ではかれこれ10年以上は花見をやっていない。

私が入社した20数年前は、春の花見は初詣と同じく営業部門の正式なイベントであった。

桜の開花予想が発表になると花見の日取りが決まり、買い出し担当と場所取り担当に若手社員が指名される。

私はなぜか場所取り担当になることが多く、花見の当日はお昼そこそこで仕事を切り上げて場所取りに向かうことになる。

適当な場所にシートを広げて夕方に皆が集まるまでぼんやりと時間を過ごすのだが、一人で過ごす数時間はとにかく暇だった。

時間つぶしに文庫本なんかを持っていくのだが、春先はまだまだ寒く集中して本を読むことなんて続かない。

SNSをやったりブログを書いたりしていたら数時間ぐらいあっという間に過ぎるのに、当時はまだ携帯さえない時代であった。時代はポケベル全盛の頃である。

携帯どころかインターネットもパソコンもメールもない中で、どのように仕事をしていたのかいまとなっては不思議なくらいである。

入社して初めて書いた提案書は手書きだった。ワープロはあったが手書きの方が心がこもっていると言われた時代である。年賀状の一言コメントじゃあるまいし。

花見が終わると経費の精算をしないといけないのだが、もちろんエクセルような表計算ソフトがないので手書きで表を作るという面倒な作業だった。

高価なワークステーションが数台あるにはあったが若手社員が花見の精算に使わせてもらえるものではなかったし、当時の私には使いこなせるものでもなかった。

結局のところ経費の精算なんて形だけで、誰もきちんと中身を見ることなんてないのだけれど。

当時はこのような石器時代的なIT環境ではあったが、それなりに仕事は回って忙しかった。

それがいまではメールどころか社内でもSNSやチャットなんかを使う時代である。

それはそれで便利になったのだが、競争相手も同じように業務の効率化や高速化に取り組んでいるので、社会全体が高速回転をしているだけでそれぞれの取り分というのは大して変わっていないと思う。

だかといって今更「もう少しスピードを下げましょうよ」と提案したところでだれも聞いてくれないし、実行したらマーケットから脱落して消え去る運命であることは目に見えている。

まるで回し車の中を爆走するハツカネズミのように、私たちも覚悟をきめて走り続けるしかないのだろう。

競うように一斉に咲いて一斉に散るソメイヨシノには個々の名前がないのに、遅れて咲く八重桜の木々には名前があったりするのが、競争社会から離れたところで個性を発揮しているようで、回し車の中を爆走する私には羨ましい限りである。

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