世界選手権メダリストの勝つための戦略とは「諦める」ことだった!

「勝つために諦める」とは、どういったことなのでしょうか?

陸上トラック種目の世界大会で、日本人として初のメダル獲得者。為末 大さんの『諦める力〜勝てないのは努力が足らないからじゃない〜』を紹介します。

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「勝てない100メートル」は捨てて、「勝てる400メートルハードル」で勝負に挑む。

「勝つ」ことを諦めない。

そのために、たとえ日本でNo.1になっても、世界では到底太刀打ちできないトラック競技の花形100メートルを諦める。

それが、為末大さんの「勝つ」ための戦略。

「前向きに、諦める」が本書のテーマだ。

1.「勝つ」ためには、勝てる道を選べ

「勝つこと」を目的にするならば、「勝てる道」を選ばないといけない。

では「勝てる道」は、どのように選べばいいのか?

為末さんは「自分の体と性格に生まれついてしまった以上、なれるものとなれないものがあるのは間違いのないことだ」と書かれている。

一見ドライで突き放したような言葉に見える。

しかし、できないことを「やれ」と言うことは、本来の優しさではない。

「勝つ」ためには、努力することで結果が出る方向、つまり自分の能力に見合った方向に進むべきだ。

為末さん自身、「自分の努力の延長線上にカール・ルイスはいない」と感じ、100メートル競技の継続を諦めて、ライバルに手が届く400メートルハードルの道に進まれている。

2.応援団は責任を取ってくれない

何かを諦めようとすると、周りにはそれを止めようとする人がいる。

「結果が出ないのは、努力が足りないからだ」
「ここまでやったのだから、もう少し頑張れ」
「まだまだできる、諦めるな」

それまでの努力を知っている人ほど、諦めることを止めようとする。

少しでも結果が出ていると、止める人はますます多くなるかもしれない。

彼らはあなたの応援団だ。

しかし応援団はあなたの人生の責任は取ってくれない。

「頑張れ!」と言われて頑張ったのに結果が出なかった。

だからと言って応援団は責任を取ってくれない。

自分の人生の決断は自分の責任でなさねばならない。

3.努力することが楽しくなる人生

勉強が得意な人と苦手な人。運動能力が高い人と低い人。コンピュータが好きな人と嫌いな人。勝負強い人と勝負を避けたい人がいる。

勉強が得意な人が勉強をする努力と、それが苦手な人がする努力では、努力に対する苦楽の程度が違う。

野球が得意な人は、野球の練習は楽しいが、サッカーの練習は苦痛かもしれない。

「勝つ」ためには、努力することが苦痛でない分野、できれば努力することが楽しい分野を選ばないといけない。

「寝ないで取り組んだ成果です」

という話はよく聞くが、これは言い換えると、「寝ないで取り組めるぐらいのことだった」ということだろう。

もしかすると、「楽しくて、寝ることを後回しにした」のかもしれない。

きょうの雑録

アスリートの本にしては、クールでロジカルな内容でした。

「やる気」と「根性」だけでは勝てない。努力しても勝てるわけではない。

このような考えを持つ指導者が増えるといいですね。

最後に、為末さんは「努力」を否定しているのではなく、「正しい努力」をするべきだ、と言われていることを付け加えておきます。

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