毎月1冊本を書く人のやり方-『職業、ブックライター。』 上阪 徹(著)

1冊の単行本を書くには、400字づめ原稿用紙で250枚から300枚ていどの文章が必要となる。

それを毎月こなしていると言うから驚きだ。

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ブックライターという仕事

タイトルにある「ブックライター」というのは、人の話を聞いて、それをまとめて本にする人のこと。

俗にいうゴーストライターのことだ。

ゴーストライターというと、本を書けない著者の替わりに代筆するという、日陰の仕事のイメージがある。

しかしこの本を読めばわかるが、まったくそんなことはない。

本をつくるということにおいて、ブックライターは著者と同等か、それ以上の存在なのだ。

ブックライターの仕事は、著者から本に書くべき素材を引き出すインタビューからはじまる。

このインタビューが、ブックライターの腕の見せ所のひとつである。

なぜなら、著者の頭の中には、漠然と素材は詰まっているだけで、何をどのように伝えればいいのか、著者自身がわかっていないことが多いから。

著者のその混とんとした頭の中から、良質な素材を引き出すことが、ブックライターの初めの仕事だ。

そのようにしてインタビューで引き出した素材を、著者の代わりとなって、読者に受け入れてもらいやすいように構成を考えて執筆する。

場合によっては、著者が想像していない形(言い意味で)に本が仕上がることもある。

ブックライターは日陰の仕事ではまったくないのだ。

では、そのように引き出した著者のコンテンツを、ブックライターの上阪さんは、どのように本に仕立てているのだろうか?

毎月1冊本を書く人のやり方

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1冊の本を50の塊に分解する

いきなり400字づめ原稿用紙を250枚も書こうとしても、書けるものではない。

数十枚であれば、気合いでなんとかなるかもしれないが、250枚を一気に書くのは不可能だ。

なので250枚を5枚×50個の塊にわけて考える。

原稿用紙5枚は2000文字なので、2000文字の記事を50個書くことをイメージする。

このブログもひとつの記事は、1000文字から1500文字、多いときで2000文字なので、この記事を50個から60個書けばいいのだ。

そうすれば、書けそうな気になってくるから不思議だ。

フルマラソンを走るときに、42キロを10キロ×4回とばらして考えると、完走できそうな気になるのとよく似ている。

素材をそろえる

ブックライターの場合は、著者にインタビューした内容を文字にしたもの(いわゆるテープ起こししたもの)が素材の中心になるが、それ以外にも、雑誌やネットのインタビュー記事、書籍などを集めて読み込む作業がある。

インタビューをテープ起こししたものは、A4サイズに文字をびっしりベタ打ちして、数百枚にもなる。

それだけの素材があってはじめて本にすることができる。

なので、自分で本を書こうとしている人は、まずは素材集めからはじめなければならない。

目次(小見出し)を作る

目次は本の設計図だ。

設計図がなければビルが建たないのと同じように、目次がなければ本が書けない。

また目次は精密でなければならない。

設計図がいい加減だとまっすぐな橋ができないように、目次が精密でなければ、伝えたいことが読者に届かない。

250枚の原稿用紙を50個に分けて書くなら、目次は50個必要となる。

それぞれの目次は2000文字必要なので、ボリュームを想定しながら目次を考える。

ボリュームが足らなければ、複数の目次を合体させ、文字数が多くなりそうなら分割する。

そうやって2000文字×50個の目次をつくる。

本の相場を考える

「本の相場」というのは、上阪さん独自の言い回しだが、書こうとしている本をマーケットのどの位置に当てはめるかということだ。

たとえば、簿記の本を書く場合、入門書を書くのか専門書を書くのか。

入門書だとしても、これから簿記を勉強するひと向けなのか、2~3年実務をしたひと向けなのかによって記述内容が変わってくる。

準備した素材によって、あるていど方向性は決まってくるが、書き始める前に読者像を想定するにはとても大切なことである。

「万人向けに書いた文章はだれにも読まれない」というのは、文章術の基本である。

書く

コンテンツがそろって、精密な目次をつくり、読者に伝わりやすい構成にすれば、あとは書くだけである。

ここまで準備すれば、間違いなくいい本が書ける。

「いい本=売れる本」ではないが、ブックライターが全力でいい本をつくらなければ、著者の思いは読者に伝わらない。

逆に、著者がいいブックライターに巡りあえれば、素晴らしい本をつくることができるのだ。

おわりに

素晴らしい素材を持っている人が、必ずしも文章を書く能力に長けているとは限らない。

もし文章を書く能力を持っていたとしても、忙しくて本を書く時間が捻出できないかもしれない。

そのような人の思いやコンテンツを、本に仕立て上げるのが、ブックライターの仕事だ。

伝えたいコンテンツを持っている人は多いのに、それを本に書き起こす人が少ないのが現状だと、上坂さんは書いている。

文章を書くことが好きな人、文章を書くことを仕事にしたいと思っている人は、この本を読んでブックライターにチャレンジしてみてはどうだろうか?

 

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