奈良の鹿は売り物のせんべいは食べない

奈良公園には1,400頭もの野生の鹿がいらしい。

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奈良公園では、あちこちで鹿せんべいを売っている。

10枚で150円の鹿せんべいを、小さなテーブルの上にピラミッド型に積んで、おばちゃんが店番をしているのが一般的な売り方だ。

人気が少ないところでは、無人の鹿せんべい販売所というのもある。

田舎にある無人の野菜の販売所と同じで、貯金箱のようなところにお金を入れて、勝手にせんべいを持っていく仕組みにだ。

無人販売所のせんべいは、鹿が勝手に食べられないように、フタ付きのかごの中に入れてある。

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おばちゃんが店番をしている鹿せんべいの販売所の周りには、必ず数頭の鹿がウロウロしている。

観光客がせんべいを買ったら、すぐにもらえるようにスタンバイしているのだ。

彼らからは「せんべいちょうだい!」オーラがギラギラ出ている。

少し離れたところには、せんべいに興味なさげな鹿がたむろしている。

しかし彼らも、せんべいに興味がないふりをしているだけで、横目でちらちら販売所を見ている(のだと思う)。

というのも、販売所に観光客がやって来ると、すすっと近づいてくるからだ。

そんなときも彼らは走らない。 ちょっとカッコつけの鹿たちなのかもしれない。

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観光客が鹿せんべいを買うやいなや、鹿たちは取り巻いて、せんべいをおねだりする。

ぴょんぴょん跳ねるのはかわいい方で、中には強引に奪いとるやつや、頭突きをしてくるヤツなどもいる。

鹿に角が生えている夏場はちょっとスリルがある。

鹿せんべいを上手にやるには、片手でせんべいの束を鹿が届かない高さに持ち上げておいて、もう片方の手で一枚ずつ下がりながら与えるのがいいらしい。

決して逃げてはいけない。

逃げると追いかけてくる。

女の子が「キャーキャー」いってるのを見るのは楽しいけどね。

他ではできない体験なので、奈良公園に来たときにはぜひチャレンジしてほしい。

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ところで、おばちゃんの販売所のせんべいは、むき出しでテーブルに積み上げてあるのだが、鹿たちはなぜがそのせんべいを食べようとはしない。

観光客には突進するのに、販売所では遠巻きにせんべいを見ているだけなのだ。

販売所から2〜3メートルのところで、せんべいを観光客が買うまで行儀よく待っているのは、ちょっと微笑ましい。

なぜむき出しのせんべいを食べようとしないのか、ずっと不思議に思っていた。

そしてこの前、その答えを見た。

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売り物のせんべいにちょっかいを出そうとした鹿を、なんとおばちゃんが「バシバシ」とシバイたのだ。

シバかれた鹿は「こめんないさい」という感じで、すごすごと下がっていった。

売り物のせんべいを食べようとすると、シバかれることを鹿たちは学んでいるのだ。

記録によると鹿せんべいは、18世紀ごろからあったようだ。

そのころからおばちゃんが販売していたかどうかはわからないが、少なくとも数世代にわたってシバかれた鹿は、売りもののせんべいに手(口)を出してはいけないと、体で覚えているのだろう。

せんべいがおばちゃんの手から観光客に渡った瞬間に、鹿にスイッチが入るのは、そうゆう理由なのである。

最後までお付き合いいただきありがとうございます。
今回はこれぐらいで。
それでは、またお会いしましょう!

一般財団法人奈良の鹿愛護会

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