参拝の前にぜひ読みたい!〜『なぜ八幡神社が日本で一番多いのか』島田裕巳(著)

初詣、合格祈願、七五三、縁結び、安産祈願や新車のお祓いなど、神社にお参りすることは多い。

観光で訪れることもあるだろう。

そんなとき、ぜひ一読しておきたいのが本書である。

IMG 5064

写真を趣味にしてから、神社仏閣に行くことが多くなった。

神社仏閣ファンというほどではないが、写真に収めるべき風景は多いし、なにより境内に自然が多く残っているのがいい。

神社を訪れると、パンフレットや立て札にお祀りしている神様や、神社の由来などが書かれていて、それらをとても興味深く読んでいる。

それらの神社の説明を読むにも、もう少し広い知識を持っていると、もっと理解が深まるのではないだろうか?

本書には、宗教学者の 島田裕巳さんが選んだ「最強の11神社」について、どこがすごいのか、どんな由来があるのかが書かれている。

日本古来の宗教である神社の知識をコンパクトにまとめているので、初詣など参拝の前に一読してみてはどうだろうか?

それでは『なぜ八幡神社が日本で一番多いのか』紹介しよう。

『なぜ八幡神社が日本で一番多いのか』

本のタイトルにある「八幡神社が日本で一番多い理由」は、第15代の応神天皇と習合して天照大御神に次ぐ皇祖神となって権威を得て、さらに源氏に保護されて武家に広がったから。

最終的には、仏教の菩薩の役割も担うようになって、庶民の間にも信仰が広がった。

習合というのは、神様と神様、あるいは神様がなにか別なものとが交じり合って、同一視されること。

八幡が習合した応神天皇は、実在性が濃厚な最古の天皇と言われている。

京都にある「石清水八幡宮」は、その昔、伊勢神宮に次ぐ国家第二の宗廟だった。

では、日本で一番多い八幡信仰の神社が全国にどのぐらいあるかというと、なんと7,817社もある。

日本の神社は全部で8万弱あると言われているから、その内の約1割が八幡信仰の神社ということになる。

2番めに多い神社は、伊勢神宮を代表とする【伊勢信仰の神社】で4,425社

3番目に多い神社は、菅原道真を祀る【天満信仰の神社】で3,953社

そのあとは、稲荷(2,970社)、熊野(2,693社)、諏訪(2,616社)、祇園(2,299社)、白山(1,893社)、日吉(1,724社)、山上(1,571社)と続く。

上位10社で全神社の4割を占める約32,000社となる。

けっこう寡占の業界なのだ。

八幡以外の上位5社の由来を簡単に紹介すると

【伊勢】伊勢神宮の天照大御神を祀る神社。総本社の伊勢神宮の存在感があまりに強いので、系列で有名に神社は少ない。伊勢神宮以外で有名なのは、東京の芝大神宮ぐらい。

【天神】ご存知のとおり、大宰府に流された菅原道真を祀る神社。祟を恐れて作られたが、のちに学問の神様となった。天満宮に多い「梅の木」や「牛の象」は道真公の故事に由来する。

【稲荷】八幡や天神と同じく、古事記や日本書紀に登場しない神様。渡来人の秦氏が稲の神として祀っていた。密教との関わりも強い。

【熊野】平安時代に、熊野那智神社がある場所が、浄土信仰の観世音菩薩が住まう浄土とみなされ熊野詣が盛んになった。熊野の修験者「熊野修験」も信仰を広める重要な役目を負った。

上位10社にランクインしていないが、人気がある出雲、春日、住吉などの紹介も書かれていて興味深く読むことができる。

神社のうんちくを知りたい人におすすめの1冊だ。

最新のブックレビューはこちらから

  • このエントリーをはてなブックマークに追加