沖縄が独立する日〜『サバイバル宗教論』佐藤 優(著)

水戸黄門はなぜ沖縄に行かなかったのか?

その理由を知れば、沖縄が独立するという考えも荒唐無稽な夢物語とは思えなくなる。

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水戸黄門が沖縄に行かなかった理由は、葵の御紋の効き目がまったくないから。

「この紋所が目に入らぬか!」 と印籠を差し出しても

「???」 となってしまう。

なぜなら沖縄は、将軍のちからも天皇のちからもまったく及ばない、日本本土とまったく違う文化を持っているからだ。

また、沖縄の尖閣諸島周辺にはガス田があると云われている。

今後、米軍の基地問題などがこじれ、民族意識に目覚めた沖縄が巨大なガス田を所有すれば、日本から独立するという選択肢もあり得る。

ひとつの県が独立するなんてありえない。

と思う人もいるかもしれないが、沖縄の人口140万人より少ない国民で国連に加盟している独立国は、なんと40カ国もあるのだそうだ。

なので人口14万人の沖縄国というのもありえる話なのだ。

ということを知っていても、日々の生活にはまったく役に立たない。

本書には「沖縄独立の可能性」のほかに、

  • ばぜ『神』がいるのに『悪』が存在するのか?
  • 「きずな」はファシズムである。
  • 神学と宗教学の違い
  • 宗教は何のためにあるのか?
  • 民族とはなにか?

など、生活の役に立たない知識がてんこ盛りになっている。

生活の役には立たないが、知的好奇心は間違いなく満たされる。

気持ちを高揚させる自己啓発本や、仕事に直結するビジネス本ばかりでなく、たまにはこのような教養を高める本を読むのもいい。

積極的に宗教を信仰していない人でも、宗教なしには生きていくことができない。

普段は宗教を意識していなくても、初詣には神社仏閣に参拝するし、いずれ死ぬときには仏教のお世話になる人も多いだろう。

キリスト教、イスラム教、仏教など伝統的な宗教は、民族や国を超えて、世界を動かす力を持っている。

国際紛争は宗教と密接に関連しているのはご存知のとおりだ。

その宗教を知ることは決して無駄にはならない。

宗教を知るということは、教養を深めるだけでなく、今後の世界を生き抜くための(サバイバルのための)有効な手段になる。

そんな今の宗教を、臨済宗相国寺派の禅僧100人に対しておこなった講義を一冊にまとめたのが本書である。

僧侶相手の講義なので、宗教の本質をズバズバと突いてくるのが心地よく知的好奇心を刺激する。

講義をまとめた本なので、話し言葉になっていてとても読みやすいのもいい。

おわりに

生活の役に立たない知識であっても、人生の役に立たないかというと、それはまったく別な話だ。

本書は、自己啓発本やビジネス本では知的好奇心が満たされないという人におすすめしたい。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

サバイバル宗教論 (文春新書)

サバイバル宗教論 (文春新書)

  • 作者:佐藤 優
  • 出版社:文藝春秋
  • 発売日: 2014-02-20
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