遣唐使が伝えた奈良の銘菓『ぶと饅頭』

遣唐使が伝え、春日大社で1200年間もの長きに渡り受け継がれた「伏兎(ぶと)」

その「伏兎」を食べやすい形のお茶菓子に仕立てたものが「萬々堂通則(まんまんどうのりみち)」さんの「ぶと饅頭」だ。

ぶと饅頭

近鉄奈良駅のすぐ近くにある「もちいどセンター街」を少しばかり南に下ったところにある和菓子屋「萬々堂通則(まんまんどうのりみち)」さん。

ちょっと変わった名前の和菓子屋さんだが、創業は江戸時代後期と歴史があるお店だ。

萬々堂通則ホームページ

看板商品のひとつの「ぶと饅頭」は、「萬々堂通則」さんが創業された江戸後期に、春日大社から許可を得て作られたお茶菓子。

その「ぶと饅頭」の元となっているのは、遣唐使が持ち帰った餅を油であけた「伏兎(ぶと)」という食べものだ。

これは人の食べものではなく、神饌(しんせん)という神さまへの供物だ。

なんと春日大社に1200年にも渡って伝えられているという。

春日大社の神職は、この「伏兎」が上手に作れなければ一人前の神職ではない、と云われているぐらい重視されている。

その春日大社に伝わる神饌の「伏兎」を、人が食べやすいお茶菓子にアレンジしたこの「ぶと饅頭」である。

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春日大社の神紋が記されたキャンディのような包み紙を開けると、餃子の形をした「ぶと饅頭」が現れる。

こしあんを少し固めの衣に包んで油で揚げたものに、たっぷりとグラニュー糖をまぶした、上品な揚げドーナツという感じのお茶菓子だ。

これが嫌いだという人はめったにいないと思う。

今では、油であけたお菓子は多くあるが、創業当時の江戸時代後期には、とても目新しいお茶菓子だったに違いない。

このような歴史あるお茶菓子をいただくのもいいものだ。

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「ぶと饅頭」の源流は春日大社にあるので、お菓子が納められた化粧箱には、元春日大社神官の手書きの説明書きが添えられている。

達筆で書かれた説明書きでがあるが、飾り気がない紙を使っているのが奈良らしい。

しかも400字詰めの原稿用紙を縮小コピーしているのが微笑ましい。

わら半紙に印刷された小学生の文集じゃあるまいし。

これがもし京都なら、和紙風の立派な紙にスマートに印刷されているに違いない。

こういった気取らないところが奈良のいいところで、僕は好きなんだよなぁ。

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おわりに

「ぶと饅頭」は、奈良でもあまり有名な菓子ではないだけに、ちょっと目先を変えたお土産にいいと思います。

<遣唐使><春日大社の神饌><1200年の歴史>この3つのポイントを押さえておけば、お土産を渡すときにも話が盛り上がること間違いなしです。

(了)

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