『職業としての小説家』は村上春樹ファン必読の一冊!

好きなクリエーターの舞台裏はぜひ見てみたいものです。

映画でも舞台でもアートであっても、それがどのように作られたかをのぞき見ると、ほんの少しですがそれらの作品を作った人たちと近づけた気がして親しみがわきます。

村上春樹さんの自伝的エッセイ『職業としての小説家』は、そのようなファンの気持ちを十分に満たしてくれる一冊です。

もしあたなが自分のことを村上春樹ファンだと思っているのでしたら、ためらうことなくこの本を読むことをおすすめしたいのですが、そのような人は僕のおすすめなんか関係なく既に読んでいますよね。

なので今回この本をおすすめしたいのは、村上春樹の本を何冊か(1冊でもいいですが)読んだことはあるけれど「ファンというほどではないかなぁ」と思っているあなたです。

あなたがこの本を読むと、間違いなく村上春樹のファンになることができます。

ミーハーだと思われるのが嫌で、友達に村上春樹のファンであることを隠しているあたなも、この本を読めば自信をもって「わたしは村上春樹のファンだ!」ということができます。(それを望んでいなくても)

間違いないです。

なぜここまで言い切れるかというと、この本には村上春樹の「小説を書く」ということに関する思いや様々な手法がとても具体的にそして謙虚に、オブラートに包むことなくとてもはっきりと書かれているから。

村上春樹はその読みやすい文章から、生来から持ち合わせている才能を使って、さらさらと書き飛ばしているイメージがあります。(僕だけのイメージではないと思いますが)

しかし決してそのようなことはなく、小説を書くときには丁寧にそして精密に、場合によってはちょっと大げさですが命を削って書かれていることがわかります。

「小説を書く」ことに関する代表的なエピソードを紹介しますと

・デビュー作『風の歌を聴け』を書くために試行錯誤してオリジナルな文体を手に入れたこと

・『羊をめぐる冒険』で本業をやめて(退路を断って)専業作家になることを決心したこと

・小説を完成するまでには何度も何度も納得するまで書き直しているということ

・ベストセラー『ノルウェーの森』を出版した後になぜ米国に進出したのかということ

・芥川賞をはじめとした文学賞になぜ興味がないかということ

などが書かれています。(もちろん他にも多く書かれています)

これらをを知れば知るほど、村上春樹という作家に少し近づけた気がして親近感がわいてきます。

そして本書を読む前より少し村上春樹が好きになります。

コアなファンには堪えられない「楽屋ネタ」のようなエピソードも少なからずありますが、村上春樹の本をまだ多く読んでいない人は、これらのエピソードを知ったうえで読むと、本の面白さが2~3割は増すはずです。(僕も読み返そうかと思っています)

村上春樹の本を読んで感動しても、今の僕には残念ながら本の内容を語り合うことができる同好の友達がいません。(学生のころはいたのですけど)

なので本を読んだ後はその本に書かれたブログを探しては、書かれていることに対して賛同したり「それは違うんじゃないの」などと突っ込みを入れたりして読書の追体験をしています。

このブログが僕のような人のお役に立つことができればうれしいです。

もちろんこのブログを読んで、本書を手に取るきっかけにしてもらえるともっとうれしいです。

ではまた。

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